開咬(オープンバイト)

開咬とは

開咬(かいこう)とは、奥歯で噛んだ時に上下の前歯の間にぽっかりとすき間が生じる歯並び・噛み合わせの異常です。噛み合わせが開いているため、オープンバイトと呼ばれることもあります。
開咬では前歯同士が接触しないことから、食べ物を噛み切ることが難しいです。その他、発音や呼吸、見た目にもさまざまな悪影響をもたらす可能性があり、矯正によって早期に改善することが望ましい歯並びといえます。


開咬の原因

・成長期の口腔習癖

開咬は、子どもの頃の習癖が原因となることが多いです。具体的には「指しゃぶり」や舌を前に突き出す「舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)」によって、上下の前歯の間にすき間ができます。どちらも子どもによく見られる何気ない習癖ではありますが、その結果として開咬という深刻な歯並び・噛み合わせの異常を誘発してしまうことがありますので、十分にご注意ください。

・骨格的な異常(遺伝)

骨格的な異常によって、開咬が引き起こされることもあります。ご両親やご兄弟などの親族に開咬の症状が見られる場合は要注意です。骨格的な異常に伴う開咬でも、小児期に適切な矯正治療を実施することで改善できる場合があります。


開咬を放置するリスク

開咬を放置すると、次に挙げるようなリスクを伴います。

リスク1

口呼吸になる

開咬は、上下の口唇を閉じにくいため、口呼吸になってしまう人が多いです。口呼吸は口内が乾燥することで唾液による自浄作用・抗菌作用・殺菌作用・歯の再石灰化作用が得られにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが大きく上昇します。風邪やインフルエンザといった感染症にもかかりやすくなります。

リスク2

そしゃく障害

開咬は見てもわかる通り、前歯で食べ物を噛むことができません。開咬の症状がある方は、とくに麺類のそしゃくに苦労されていることでしょう。前歯で食べ物を噛み切れない分、お奥歯に大きな負担がかかることで、そしゃく機能の主体となる大臼歯の寿命が縮まってしまいます。

リスク

滑舌・発音が悪くなる

前歯部にぽっかりとすき間があいている開咬では、息漏れの影響によって発音が悪くなることがあります。特定の言葉が発音しにくい症状に悩まされる方も少なくありません。

開咬の治療法

開咬の症状は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正で改善することができます。前歯部のすき間を解消するような形で、歯列全体を移動させます。小児期に矯正治療を始めれば、よりスムーズに開咬の症状を治すことができるでしょう。当然ですが開咬の原因となっている指しゃぶりや舌突出癖は、適切な時期にきちんと解消する必要があります。