下顎前突とは
下顎前突とは、下の前歯あるいは下の顎が前方に突出している歯並びです。一般的には「受け口」と呼ばれることもあり、顎がしゃくれて見える症状がコンプレックスとなりやすいです。
上下の前歯の噛み合わせが前後的にずれているケースを反対咬合(はんたいこうごう)も呼びます。

下顎前突の原因
下顎前突の原因は、歯性(しせい)と骨格性(こっかくせい)の2つに大きく分けられます。
・歯性の下顎前突
下の前歯が前方に傾いていたり、正常よりも前方に位置していたりすることで受け口の症状が現れます。歯の生え方の異常に由来することから、矯正治療によって治しやすい受け口といえます。
・骨格性の下顎前突
上下の顎の骨のアンバンスによって、受け口の症状が現れます。下の顎が長すぎたり、上の顎が短すぎたりすることが主な原因です。骨格的な異常に由来する受け口は、歯列矯正単独で治すことは難しく、外科矯正を併用しなければならないケースも多いです。顎変形症を患っているケースでは、骨格生の下顎前突になりやすいです。
下顎前突を放置するリスク
受け口である下顎前突を放置すると、次に挙げるようなリスクが生じます。
- リスク1
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そしゃく障害
受け口の中でも上下の前歯の噛み合わせが逆になっている「反対咬合」は、そしゃく障害が起こりやすいです。前歯で食べ物を噛み切ることが難しく、奥歯に大きな負担がかかります。
- リスク2
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発音障害
受け口では発音が独特になる場合があります。とくに「サ行」や「タ行」の発音が悪くなりやすいです。滑舌が悪くなるのも受け口の大きな弊害のひとつです。
- リスク3
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顎関節症になりやすい
奥歯や顎の関節に過剰な負担がかかる下顎前突では、顎が痛い、顎の関節がカクカク鳴る、口が開きにくいなどの症状に悩まされやすくなります。これらは顎関節症と呼ばれる病気の症状です。
- リスク4
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口元のコンプレックスになる
上顎前突は、口ゴボの原因のひとつであり、特徴的な顔貌を呈することが多いです。そのため口ゴボや出っ歯の症状が長年のコンプレックスとなっている人は極めて多いです。
下顎前突の治療法

下顎前突は、前方に出ている前歯や顎を後方に下げることで症状を改善できます。歯性の下顎前突なら、「ワイヤー矯正」「マウスピース矯正」といった歯列矯正で治すことが可能です。骨格性の下顎前突は、歯列矯正に加えて、外科矯正が必要となるケースが多いといえます。
