空隙歯列とは
空隙歯列(くうげきしれつ)とは、歯列内に不要なすき間がある歯並びで、一般的には「すきっ歯」と呼ばれています。その中でも上の前歯の真ん中にすき間があるケースを「正中離開(せいちゅうりかい)」と呼び、口元の審美性に大きな影響を与えやすいです。

空隙歯列の原因
空隙歯列は、スペースの余剰によって生じます。
顎の骨が大きい、歯のサイズが小さい、歯の本数が少ない、といった症状があるとスペースが余ってしまうため、歯列内にどこかにすき間が生じます。
悪い歯並びの多くは、スペースが不足していることで生じるため、空隙歯列はやや特殊な歯列不正といえるでしょう。
空隙歯列を放置するリスク
空隙歯列を放置すると、次に挙げるようなリスクを伴います。
- リスク1
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食べ物が詰まりやすい
正常な歯並びの歯間距離は、デンタルフロスや歯間がかろうじて挿入できる程度です。空隙歯列の場合は、肉眼で確認できるくらいのすき間が存在しているため、食べ物が詰まりやすくなっています。食べかすや歯垢の停滞も起こりやすいことから、口腔衛生状態が悪くなりがちです。
- リスク2
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発音が悪くなる
歯列内のすき間から息漏れが生じると、発音が悪くなります。とくに正中離開では「サ行」の発音が悪い傾向にあります。
- リスク3
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そしゃく障害
空隙歯列の症状が強い場合は、そしゃく機能にも大きな悪影響が及びます。正中離開では前歯で麺類や食物繊維の多い食品を噛み切ることが難しくなり、奥歯に大きな負担がかかるようになります。
空隙歯列の治療法

空隙歯列は、標準的なワイヤー矯正やマウスピース矯正で改善することができます。歯列内のすき間を塞ぐような形で歯並び全体を動かします。すき間が存在している部位によっては、部分矯正で対応できる場合もあります。その他の歯列不正とは異なり、空隙歯列で抜歯が適応されることはまずありません。
