切端咬合

切端咬合とは

切端咬合(せったんこうごう)とは、上下の前歯の先端(=切端)どうしが接触している歯並びを意味します。広い意味では、反対咬合でも見られる症状のひとつといえます。
私たちの歯は本来、上の前歯が下の前歯よりも2~3mmくらい前方に位置しており、その距離が0mmになっているのが切端咬合です。


切端咬合の原因

切端咬合の原因は歯性と骨格性の2つに大きく分けられます。

・歯性の切端咬合

上の前歯が内側に傾いていると、切端咬合になりやすいです。上の前歯の傾斜が正常であっても、下の前歯が外側に傾いている場合は切端咬合になることがあります。

・骨格性の切端咬合

下の顎が長すぎたり、下顎骨全体が前方に位置していたりする場合は、骨格性の切端咬合になりやすいです。これは骨格性の下顎前突・反対咬合とほぼ同じ理由です。


切端咬合を放置するリスク

切端咬合を放置すると、次に挙げるようなリスクを伴います。

リスク1

前歯にダメージが蓄積する

前歯は本来、先端部分で噛み合う歯ではありません。ハサミのような要領で食べ物を噛み切るのが主な機能となっています。それが先端で真っ向から噛み合ってしまうと、歯の摩耗や破折を促します。その影響は歯冠(しかん)のみならず、歯根にまで及ぶことがあるため十分な注意が必要です。

リスク2

奥歯で噛みにくい

切端咬合では、前歯で噛み合っていることから、奥歯で効率良くそしゃくできないケースが多いです。食べ物をきちんとすりつぶさずに飲み込むことになるため、胃腸への負担が大きくなります。

切端咬合の治療法

切端咬合は、標準的なワイヤー矯正やマウスピース矯正で改善できるケースがほとんどです。抜歯が必要になるかどうかは、歯並びや顎の骨の状態によって変わります。軽度の切端咬合であれば、部分矯正を適応できるかもしれません。